2020226日午前、香港特別行政区財政長官の陳茂波は2020/21年度の財政予算案を発表しました。2019年下半期から、“立法デモ事件”及び新型コロナウイルス発生の二重打撃を受けました。現在の苦境を和らげて、社会各界の訴求に応えるために、当該予算案の中で、香港政府は、ウィルスと闘うための給付金を含む多くの利民救済措置を提出しました。

 

香港の経済は2019年下半期からマイナス成長が現れましたが、厳しい経済環境に対応するために、本年度の財政予算案では逆サイクル措置を取って、「企業支援、雇用確保、経済安定、民生利便」を目標として、現在の挑戦に対処し、香港の難関乗り越えを助けてほしいです。

 

今回の予算案の中で、個人と企業の税務、及び経済予測に関する主たる項目は以下通りです。

 

2019年の経済回顧

1.       全体の貨物輸出は通年で実際4.7%減となりました。

2.       サービス出力は通年で10.4%減となり、過去最大の年間下げ幅となりました。

3.       季節的に調整された失業率は昨年の第2四半期の2.8%から最新の3.4%に上昇し、3年以来最高となりました。

4        小売業、宿泊業及び食品生産業の合計失業率は5.2%に上昇し、3年以来最高となりました。

5.       飲食サービス業の失業率は6.1%に上昇し、8年以来最高となりました。

6.       通年の基本インフレ率は3%で、2018年より0.4%高かったです。

 

2020年の経済予測

7.       経済の実質的成長率はマイナス1.5%~0.5%の間であると予測します。

8.       全体インフレ率と基本インフレ率はそれぞれに1.7%と2.5%に下がります。

 

利民救済

9.       18歳以上の香港永住者に毎人1万香港ドルの支給します。

10.     2020/21年度の通年の家屋税が免除され、1世帯ごとに毎四半期1,500香港ドルを上限とします。

11.     総合社会保障支援、高齢者手当、高齢者生活手当、障害者手当の受給者に更に1ヶ月分を追加支給します。

12.     公営住宅入居者のうち低所得入居者のため1ヶ月分の家賃を支払います。

13.     2020年中等教育終了試験を受ける受験者に試験料を支払います。            

 

雇用確保

14.  2019/20年度の給与所得税及び個人総合所得税の100%が免除され、20,000香港ドルを上限とします。

 

企業支援

15.     2019/20課税年度の利得税の100%が減免され、20,000香港ドルを上限とします。

16.     2020/21年度の商業登記費用の2,000香港ドルが免除され、250香港ドルのみの課徴金が納付必要です。

17.     105香港ドルの年次申告登記料が免除され、2年間有効となります。

18.     2020/21年度の非住宅用物件の家屋税が免除され、初の2四半期に1世帯ごとに毎四半期5,000香港ドルを上限とし、次の2四半期は1世帯ごとに毎四半期1,500香港ドルを上限とします。

19.     補助資格に該当する非住宅の電気使用者に対し4ヶ月分の電気料金の75%を追加補助し、1世帯ごとに毎月5,000香港ドルを上限とします。

20.     非住宅使用者に対し4ヶ月分の水道代及び汚水処理費の75%を追加減免し、1世帯ごとに毎月20,000香港ドル(水道代)及び12,500香港ドル(汚水処理費)を上限とします。

21.     クルーズ船会社及び既存の埠頭業者の料金及び賃借料の6ヶ月分が減免されます。

22.     「中小企業融資保証計画」によると、政府が特恵低金利のローンを100%提供し、200万香港ドルを上限とします。 

 

過去の経験によると、当該提案は立法議会にてまだ審議中ですが、可決されると予測しています。貴方様が関連業務を行う前に啓源の税務コンサルタントと相談することをお勧めします。

 

ご質問がございましたら、啓源の香港財政予算案の担当者となる税理士にお気軽にお問い合わせください。

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