アメリカの売上税(Sales Tax)・使用税(Use Tax)は外国投資者によって他国の消費税、付加価値税(VAT)とよく混同されていますが、すべてが間接税であり、とても似ています。米国では売上税・使用税制度が統一されていないので、各州及び地方政府は独自に税法及び税体系を定めることで売上税・使用税を徴収します。

 

本稿では、米国の売上税・使用税の体系、その定義、関連基準、登記手続き、登録基準、税金の納付、申告や罰金なども含めてご紹介します。

 

1. 米国売上税と使用税の定義

 

米国45州及びコロンビア特別区において、会社はその経営業務が卸売・小売業、または特定のサービス提供に係る場合には、当該業務に対し売上税・使用税を徴収することが義務付けられます

 

売上税とは、大部分の有形商品と特定のサービスに対し徴収される税金です。売上税の課税対象はエンドユーザ―または最終消費者であり、つまり最終消費者は販売価格と納付すべき売上税の合計  額を支払う必要があります。従って、売上税は事業者のコストを増やすものではありません。

 

有形商品の販売は通常、特殊な免除がない限り(例えば、転売又は卸売は通常免税される)、売上税を納付する必要があります。

 

サービス提供の行為は通常免税されますが、明確に規定された課税対象となるサービス(例:公共事業サービス、公共活動の入場やデータ処理など)は別です。

 

無形商品(例:株券、債券や著作権)の売却は通常納税する必要がありません。

 

使用税とは、売上税を納付されていない課税対象となる商品またはサービスを保存・使用・消費する時に徴収される税金であり、売上税を徴収できなかった場合に対する補充です。通常は州外で購入したが、州内で使用する場合に適用されます。使用税は免税で購入した商品にも適用されますが、その後に課税される場合に限ります。

 

2. 売上税と使用税のネクサス(Nexus

 

米国の法人税制度と異なり、国際的な税収優遇協議は米国の売上税と使用税をカバーしていません。そのため、米国で事業活動を展開する会社は一つの州でまはた複数の州で売上税・使用税の徴収義務があるかどうかを考慮する必要があります。現在、会社はその業務が現地で事業関連性(ネクサス)の基準に該当すると、現地の売上税・使用税の制度に従わなければなりません。事業関連性(ネクサス)とは、会社と所在州とのつながりを指します。当該つながりが特定の基準に達する場合、売上税・使用税の登録、徴収及び関連税務部門への税金申告を行うことが要求されます。

 

最初、ネクサスは、主に物理的条件(例えば、州内で物理的なオフィスがあるか、従業員を雇っているか、またはその他の物理的な状況)によって判定されます。但し、2018年のサウスダコタ州とWayfair社が争っていた裁判によると、経済的な関連性がネクサスにさらに広い定義を与えています。例えば、州外の売り手は当該暦年又は前暦年において納税義務がある州内での売上高が100,000ドルを超え、または取引回数が200回以上になると、経済的な関連性が発生します。その場合、現地の売上税・使用税に関する条例に従い当該州で売上税・使用税の登録、徴収及び申告を行わなければなりません。多くの州はすでに経済的な関連性の要求に基づき法令を更新しました。

 

3. 売上税と使用税の許可証登録手続き

 

会社は米国で経営する活動が卸売・小売業又は特定のサービスに係り、かつネクサスの基準に達する場合に、州税務部門で売上税・使用税の登録を行い、売上税・使用税の許可証・証明書を取得し、売上税を徴収し且つ定期的に申告することが義務付けられます。

 

売上税と使用税の許可証の申請をオンライン、ファックス、または郵送で行うことができます。許可申請にかかる時間については、申請当日から3週間後までに承認され、申請州の要求によって異なります。

 

売上税と使用税の許可証を申請するには、必要な情報は次のとおりです。

 

1) 会社の登記情報

2) 連邦雇用主証明番号(EIN

3) 会社責任者の社会保障番号(SSN)または個人納税者番号(ITIN

 

現地税務部門によって登記情報を批准されたら、売上税と使用税の許可証又は登記通知書を取得できます。当該許可証及び登記通知書には、売上税と使用税の許可証番号、発行日、申告頻度と申告期限日、及びその他の関連説明が記載されています。その後に電子方式で定期的に販売記録を提出し、かつ関連する税金を申告する必要があります。

 

4. 売上税と使用税の登録基準

 

売上税と使用税の登録を行うとき、企業の日常経営に対し自己評価を行い、売上税と使用税の許可・登録が必要かどうかを確定する必要があります。売上税と使用税の登録は2種類あります。

 

1) 強制登録

 

通常、企業は州内で有形商品の販売または課税対象となるサービスの提供を行う場合、事業を始める前に売上税と使用税の登録を行い、関連免許・許可を取得することが要求されます。州内での経営業務であるかどうかはネクサス(事業関連性・経済的な関連性)が生じるかどうかによって判断されます(例えば、年間売上高又は取引回数)。売上税と使用税の許可証を取得した後、顧客から売上税を徴収し、現地税務部門に対し定期的に申告することが義務付けられます。

 

売上税と使用税の許可証のほか、企業は転売目的で商品を購入する時に再販売証明書(Resale Certificate)の提示が必要となります。そのため、再販売の目的で購入した商品に対し売上税を別途支払うことが不要となります。さもなければ、転売だとしても、不要な売上税を支払う必要があります。ある州は正式な再販売証明書を発行しますが、ある州は詳細な企業情報と取引情報を記入するためのテンプレートを提供します。

 

2) 任意登録

 

外国会社又は州外会社は、当該州で「経済的な関連性」の基準に達しなくても売上税と使用税の任意登録を行うことができます。売上税と使用税の任意登録をした納税義務者は強制登録の納税者と同じ責任と義務を持っています。

 

3) 抹消登記

 

会社は閉鎖され、または売却され、または業務量がネクサスの基準に達していない場合には、売上税と使用税の抹消登記を行うことができます。抹消登記をするためには、「最終売上税」という申告書及びその他の規定されたフォームを提出する必要があります。

 

5. 売上税と使用税の徴収と書類保存

 

通常、販売価格又は購入価格は売上税と使用税の課税標準です。ただし、各州が価格に含まれるべき内容(例えばサービス料)を統一していなかったので、商品と税率が同じでも州によって取引に対する税額は違うかもしれません。 

 

州政府は、商品及びサービスを分類し、分類によって税率の違う売上税と使用税を徴収しますが、同一類別の項目の税率が同じです。なお、企業所在地の郡、県などの現地機関は関連する売上税と使用税を別途徴収する可能性があります。従って、会社は売上税と使用税を納付することが義務つけられる場合に、営業所の住所または会社の拡張を考慮する時に州、郡、県などの税率を総合的に検討することをお勧めします。

 

米国のニューハンプシャー州、オレゴン州、モンタナ州、アラスカ州及びデラウェア州の5州は州レベルの売上税と使用税をまだ設定していません。ただし、アラスカ州のある郡、県は地方売上税を徴収します。

 

政府による不定期的な監査のために、売上税と使用税に関するあらゆる書類・証憑を保存する必要があります。保存が必要な書類・証憑は下記を含みますが、これらに限りません。

 

1) 販売レシート(電子媒体又は紙媒体)

2) 免除証明書(もしあれば)

3) 各取引における顧客から提供された再販売証明書(もしあれば)

4) 売上税・使用税申告書

5) 仕入れのインボイス・未払いインボイス(あらゆるインボイス)

 

6. 売上税・使用税申告書の提出

 

多くの州では、売上税と使用税を登録した場合、販売があるかどうかにかかわらず、規定された申告期間内に売上税・使用税申告書を提出しなければなりません。申告頻度は業務の種類、販売量及び未払い税額によって違います。例えば、通常大規模小売事業者は月ごとに提出しなければなりません。

 

卸売業者は通常、あまりもしくはほとんど売上税と使用税を納付していませんが、年末に申告する必要があります。

 

売上税・使用税申告書を提出する時、販売総額、課税売上高、徴収済売上税、及びその他の規定された必要な情報を明記しなければなりません。

 

通常、申告書を提出する際に関連税務部門に徴収済売上税・使用税を納付する必要があります。もし申告書を提出するまでに納税しなかった場合に、納税義務者は期限後の支払いにより罰金及び利息などの処罰を受けます。

 

7. 処罰

 

1) 遅延登録

 

会社はネクサスの基準に達すると、課税対象となる業務活動を始める前に現地で売上税と使用税の登録をすることが義務付けられます。要求に従い登録をしなかった場合に、深刻な結果をもたらすことがあります。例えば、現地税務部門は事業の開始した日から今までの売上税と使用税、及び関連する罰金の納付を要求する可能性があります。

 

2) 期限後納税

 

期限後申告をしたり、税金を全額支払わなかったりすると、未納の税額によって罰金を科されます。納税者は罰金の免除を要求し、州政府に対し書面による上訴を提出し、延期納付の原因を説明することができます。ただし、通常は合理的な理由があり、かつコントロールできない場合だけに、罰金の免除は可能です。

 

意図的に納税を回避し、または不正確な申告を行った場合には、ある州は付加税の100%相当額までの罰金を課します。

 

 

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